改正パートタイム労働指針のポイント(事例集) | ||||||||
パートタイム労働者の雇用管理の改善などのための措置を講ずるに当たり、パートタイム労働者に ついて労働者保護法令を守るとともに、就業の実態正社員との均衡などを考慮して処遇しましょう。 |
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★正社員と職務が同じパートタイム労働者についての「正社員との均衡」の考え方★ | ||||||||
1. | 「職務が同じ」かどうかを判断する事例 | |||||||
a. | 一部の内容が重なるが、「職務が違う」と考えられる場合 | |||||||
パートタイム労働者の販売員Aと正社員の販売員Bでは、接客、レジ業務は同じように行っていますが、Bには在庫管理・発注の作業やクレーム処理対応がある場合、AとBで一部の職務が重なっていても、全体では職務が違うと考えられます。 | ||||||||
b. | 同様の責任・権限をもち、「職務が同じ」と考えられる場合 | |||||||
クレジット業M社では、カード会員申込者の審査業務において、パートタイム労働者に対しても職能資格制度を導入し、一定の資格等級に達したパートタイム労働者Aに関しては正社員と同様の責任・権限をもつ最終判断業務を任せています。Aについては、同資格の正社員と職務が同じと考えられます。 | ||||||||
M社の職能資格制度 | ||||||||
管理専門職 | ||||||||
特 2 | 特 2 | |||||||
特 1 | 特 1 | |||||||
一般 2 | ||||||||
一般 1 | ||||||||
パートタイム労働者 | 正社員 | |||||||
2. | 「人材活用の仕組や運用など」が実質的に異ならないかどうかを判断する事例 | |||||||
a. | 「人材活用の仕組や運用などの実態が異なる」と考えられる場合 | |||||||
S社の経理部に配置されている正社員は、営業部や総務部から異動してきた者、他の支店から異動してきた者、定期的な異動の中で複数の部署での勤務経験をもつ者が多いのですが、中には、経理部以外の勤務経験のない者もいます。経理部内のみの勤務経験の者についても、部内で異なるラインの仕事を経験しながら役割が変化し、社内横断的なプロジェクトのメンバーに入ってたりしています。経理部のパートタイム労働者Aは、他の支店から経理部に初めて配属された正社員Bとほぼ同じ経理事務を担当していますが、Aの担当事務やラインが今まで変わることはありませんでした。 | ||||||||
b. | 職務が同じで、「人材活用の仕組や運用などが異ならない」状態と考えられる場合 | |||||||
電気機械メーカーZ工場で、溶接・組立・修理を行う現場の正社員は、生産体制の変化に伴って配置されるラインが変わる異動はありますが、他の工場への異動はありません。パートタイム労働者の中には配置されるラインが変わらない人もいますが、パートタイム労働者Aは、10年間勤務し、所定勤務時間が6時間と短いだけで、正社員と同じラインに配置され、生産体制の変化に伴って正社員と同じように溶接・組立・修理のラインへ配置換えもされてきました。新人が同じラインに配属されたときは、正社員と同じように指導もしています。 | ||||||||
※ | 比較にあたっての考え方 | |||||||
パートタイム労働者と職務が同じ正社員の人材活用の仕組や運用などの状態がいくつかある場合は、その中にパートタイム労働者と人材活用の仕組や運用などが実質的に異ならないものがあるかを比較することになります。なお、育児・介護などの家族的責任を有する労働者については、その事情に配慮したために異動の幅や頻度が少ないことがありますが、そのような取扱いについては比較に当たって対象から除くことが望まれます。 |